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応募の前に、ファンにする。|中小企業のための『ファン採用』という考え方

ファン採用とは|応募の前にファンにする中小企業の採用

採用が、年々難しくなっています。
求人を出しても応募が来ない。
採れたと思ったら、すぐに辞めてしまう。
多くの中小企業の経営者が、同じ壁にぶつかっています。

私たちMOGROWは、この壁の越え方を「応募の前に、ファンにする」という一言で表しています。
応募してきた人をなんとか口説くのではなく、応募してくるずっと前から、自社のことを知ってもらい、好きになってもらう。
来てほしい人が、自分から「ここで働きたい」と思ってくれる状態を、時間をかけてつくっていく。
これが「ファン採用」という考え方です。

これは新しいテクニックの話ではありません。
採用に「どう向き合うか」という、経営者の発想そのものの話です。

この記事では、なぜこの発想が必要なのか、従来の採用と何が違うのか、そして中小企業がどう実践すればいいのかを、できるだけ素直にお伝えします。
読み終えたとき、自社の採用の景色が、少し違って見えているはずです。

これまでの採用は「応募してから口説く」だった

ファン採用の話に入る前に、これまでの採用が何だったのかを整理させてください。

募集→選考→内定で“その時だけ”惹きつける限界

従来の採用は、こういう流れでした。

  1. 求人媒体に募集を出す
  2. 応募が来たら選考する
  3. 内定を出すときに、給与や条件、会社の魅力を一生懸命に伝えて、入社を口説く

この方法の問題は、求職者と接点を持てるのが「応募してきてから」に限られることです。
つまり、相手がすでに自社を見つけて、応募ボタンを押してくれた人だけが対象。
その手前にいる、まだ自社を知らない大勢の「いい人材」とは、そもそも出会えていません

しかも、内定の段階で慌てて口説いても、相手はすでに複数の会社を比較しています。
短い面接と数回のやりとりだけで、会社の本当の魅力を伝えきるのは至難の業です。
「その時だけ」惹きつけようとする採用は、構造的に無理があるのです。

知名度・条件の勝負では中小企業は不利

さらに、従来の採用は「知名度」と「条件」の勝負になりがちです。
同じ求人媒体に大企業と並んで掲載されれば、求職者の目はどうしても知名度の高い会社に向かいます。
給与や福利厚生の数字で競っても、体力のある大企業には敵いません。

中小企業が、大企業と同じ土俵で、同じルールで戦っている限り、不利な状況は変わりません。
だからこそ、戦い方そのものを変える必要があります。
それが、ファン採用です。

「応募の前に、ファンにする」とは何か

では、ファン採用とは具体的にどういう発想なのでしょうか。

口説く相手を“応募者”から“まだ知らない人”へ

ファン採用のいちばんの転換は、向き合う相手を変えることです。
「応募してきた人」を口説くのではなく、「まだ自社を知らない人」に、少しずつ自社を知ってもらう。

会社の日常、働く人の表情、経営者の考え方を、求人とは関係なく発信し続ける。
すると、いますぐ転職を考えていない人の中にも、「なんだか良さそうな会社だな」という印象が積み重なっていきます
そして、その人がいざ「転職しようかな」と思ったとき、最初に思い浮かぶ会社になる。
これがファン採用の狙いです。

応募の瞬間に勝負するのではなく、応募の“前”の時間で、すでに勝負を終えておく。
発想が、まるごと逆になります。

ファン=自社を理解し、好いてくれる人を増やす

ここで言う「ファン」とは、熱狂的な支持者という意味ではありません。
自社のことを正しく理解していて、好意的に見てくれている人。
そういう人を、コツコツ増やしていくということです。

ファンが増えると、採用は驚くほど楽になります。
会社をよく知ったうえで応募してくれるので、話が早い。
入社後の「思っていたのと違う」も起きにくい。
さらに、ファンになってくれた人が、知人に「いい会社があるよ」と紹介してくれることもあります。
採用が、点ではなく、面で広がっていくのです。

少し余談になりますが、私たちの拠点である近江には、古くから「三方よし」——売り手よし、買い手よし、世間よし——という近江商人の商いの精神が根づいています。
目先の取引で勝つのではなく、長く続く信頼を何より大切にする。
ファン採用の発想は、これと地続きだと感じています。
採用もまた、その場限りの取引ではなく、人との長い関係づくりなのです。

なぜ中小企業にこそ必要なのか

ファン採用は、実は大企業よりも、中小企業にこそ効きます。
理由は2つあります。

採用難の構造を、正面突破では越えられない

いま、採用市場の厳しさは、特に中小企業に重くのしかかっています。
たとえば従業員300人未満の企業の大卒求人倍率は、学生1人に対して約9社が求人を出すほどの激戦です(詳しくは「中小企業がSNS採用で失敗する3つの理由と解決策」で触れています)。

この状況を、求人媒体への出稿を増やすといった「正面突破」で越えようとすると、コストばかりがかさみます。
媒体費は年々上がり、1人採るのに数十万円から100万円かかることも珍しくありません。
体力勝負では、中小企業は消耗するだけです。
だからこそ、応募の前から関係を築いておく、別のアプローチが要るのです。

規模が小さいほど「人・想い」で戦える

そして、ここが大事なところですが、中小企業には大企業にない強みがあります。
それは「距離の近さ」です。

  • 社長の顔が見える
  • どんな人が働いているかが分かる
  • 会社の想いが、現場の隅々まで伝わっている

この近さは、規模が小さいほど際立ちます。大企業が逆立ちしても出せない「人の温度」を、中小企業はそのまま発信できる。

知名度や条件では負けても、「人」と「想い」でなら勝てる。
ファン採用は、中小企業がいちばん得意な土俵で戦うための考え方なのです。

ファンをつくる3つの要素:人・想い・継続

「ファンをつくる」と言っても、何を発信すればいいのか。
突き詰めると、要素は3つです。

誰が働いているか(人)

一つめは「人」。
どんな人が、どんな表情で働いているか。
これがいちばん、求職者の心を動かします。

求職者が本当に知りたいのは、立派な制度や数字ではありません。
自分がこの会社に入ったら、どんな人たちと、どんな空気の中で働くのか」です。
社員一人ひとりの人柄が見えるだけで、求職者は「ここで働く自分」を具体的に想像できるようになります。

何のためにやっているか(想い)

二つめは「想い」。
なぜこの事業をやっているのか。
何を大切にしているのか。
経営者や社員の言葉で語られる想いは、会社の輪郭をくっきりさせます。

きれいに整えられたミッションステートメントよりも、社長が自分の言葉で、ときに不器用に語る想いのほうが、ずっと伝わります。
共感は、完璧さからではなく、本気と本音から生まれるからです。

一度きりにしない(継続)

三つめは「継続」。
これがいちばん見落とされがちで、いちばん大事です。

ファンは、一度の発信ではできません。
人となりや想いに、何度も触れるうちに、少しずつ好意が育っていく。
一本の素晴らしい動画より、地道に出し続ける発信のほうが、結局はファンを増やします。
続けること自体が、信頼の証になるのです。
逆に、発信が止まった会社は「動きが見えない会社」と受け取られ、せっかくの好印象も薄れていきます。
実はこの「一度きりで終わってしまう」ことこそ、採用動画でもっとも多い失敗です。
陥りがちなパターンは、中小企業が抑えるべき採用動画の注意点|失敗事例5選にまとめています。

ファン採用がもたらすもの

ファンが増えると、会社に何が起きるのか。
採用の枠を超えて、いくつもの良い変化が生まれます。

応募の“質”と定着の向上

まず、応募の質が変わります。
会社をよく理解したうえで応募してくる人は、価値観のミスマッチが少なく、入社後も定着しやすい。
「採れたけれどすぐ辞めた」という、いちばん痛い損失が減っていきます。
採用は、人数だけでなく「合う人が来て、長く活躍する」ことで初めて成功と言えます。

社員の誇り・社内の一体感

そして、意外に大きいのが、社内への効果です。

実際にあった話です。
滋賀県のとある製造業で、社長や社員が自分の言葉で語る動画を発信し始めたところ、まず社内が盛り上がりました。
「次は自分も出てみたい」という社員が現れ、社内のコミュニケーションまで活発になったのです。

自分たちの会社の魅力が、社外から評価される。
その様子を社員が目にする。
これは、働く人の誇りに直結します。
ファン採用は、外に向けた発信であると同時に、社内を前向きにする取り組みでもあるのです。

採用を超えた波及(取引・集客)

さらに、効果は採用だけにとどまりません。
滋賀県でコンクリート管を手がける株式会社クリコン様では、取引先から「動画、拝見しましたよ」と声をかけられ、商談のアイスブレイクになったり、新規受注のきっかけになったこともありました。

会社のファンが増えるということは、採用の応募者だけでなく、取引先や顧客の中にも「この会社が好きだ」という人が増えるということです。
ファン採用は、採用という入り口から始まって、経営全体に効いていく投資なのです。

経営者がまず変えるべきこと

最後に、ファン採用を始めるために、経営者がまず変えるべきことをお伝えします。
手順ではなく、心構えの話です。

「広告予算」ではなく「関係づくりへの投資」と捉える

いちばん大事なのは、採用への発信を「広告費」ではなく「関係づくりへの投資」と捉え直すことです。

広告だと思うと、すぐに成果を求めてしまい、反応がないと止めてしまいます。
けれど関係づくりは、貯金と同じで、少しずつ積み上がり、ある時点から効いてきます。
「今月いくら使って、何人採れたか」ではなく、「自社のファンが、どれだけ増えているか」
この時間軸で見られるかどうかが、続けられるかどうかを決めます。
続ける発信を具体的にどう組み立てるかについては、【経営者必読】中小企業の採用動画|単発で終わらせない継続型戦略と成功事例で、実際の事例とともに解説しています。

映像が“人・想い”を伝える理由

そして、「人」と「想い」を伝えるのに、映像ほど強い手段はありません。
文字や写真では、表情の機微や声のトーン、その場の空気までは届きません。
動画なら、社長の語り口も、社員の笑顔も、現場の熱量も、まるごと伝わります。
AIで整った発信があふれる時代だからこそ、生身の人が語る映像の説得力は、むしろ増しています。

私たちMOGROWが提供する「ファン採用」は、まさにこの考え方を、映像で実現するためのサービスです。
企画から撮影、発信、分析までを伴走し、御社の「人・らしさ・想い」を、採用の力に変えていきます。
「何から始めればいいか分からない」という段階でも構いません。
まずは、自社の魅力を一緒に言葉にするところから始めましょう。

よくある質問(FAQ)

Q

ファン採用は、すぐに成果が出ますか?

A

すぐには出ません。ファンづくりは関係づくりなので、信頼が積み上がるには時間がかかります。数か月から1年のスパンで、じっくり育てる前提で取り組んでください。途中でやめないことが、いちばんの近道です。

Q

何から始めればいいですか?

A

まず「来てほしい人はどんな人か」を決め、その人に向けて「人・想い」が伝わる発信を始めることです。立派なものでなくて構いません。社員の日常や、経営者の想いを、自分たちの言葉で出すところからで十分です。

Q

うちのような小さな会社でもできますか?

A

むしろ小さな会社のほうが向いています。社長や社員の人柄、社風といった「距離の近さ」が、ファン採用の最大の武器だからです。規模が小さいことは、この取り組みではハンデではなく強みになります。

Q

SNS採用とファン採用は、何が違いますか?

A

SNS採用は手段、ファン採用は考え方です。SNSはファンをつくるための有力なチャネルの一つですが、ファン採用の本質は「応募の前に関係を築く」という発想そのものにあります。媒体が何であれ、この発想が土台になります。

Q

発信を外注しても、本当に“ファン”はつくれますか

A

制作や運用は外注して構いません。ただし、社長や社員が「出演し、語る」ことだけは代わってもらえません。ファンは会社の“中の人”の魅力から生まれるからです。制作はプロに任せ、想いを語る部分は自社が担う。この役割分担が、外注を活かすコツです。

まとめ

「応募の前に、ファンにする」。
これがファン採用という考え方の、すべてです。

応募してきた人を口説く採用から、応募の前から関係を築く採用へ。
知名度や条件で戦うのではなく、「人」と「想い」を、継続的に伝え続ける。
これは中小企業がいちばん得意な戦い方であり、採用難の時代を越えるための、現実的な道筋です。

そしてファン採用がもたらすものは、採用の成功だけではありません。
社員の誇り、社内の一体感、取引や集客への波及——会社全体が、少しずつ前を向いていきます。

すぐに結果は出ないかもしれません。
けれど、まいた種は、確実に育ちます。
「自社の魅力を、どう伝えればいいか」と迷ったときは、私たちMOGROWにご相談ください。
御社のファンを増やす一歩を、一緒に踏み出しましょう

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